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3. 実績の数と質 〜泥まみれの経験値が財産〜


---見極めるべきは数と質のバランス---


菅: 実績数だけで判断するのも危険だけど、一番わかりやすい見分け方でもあるよね。
いい業者だから仕事が入るってのはあるし。

う: ウチは300件越えたかな。ウェブ以外の仕事は数えたことないけど。菅谷くんのトコも200近くあるでしょ?

滝: 数だけだとウチ多くない(笑)。

菅: 見極めるべきは数と質のバランスでしょうね。

滝: 未だに「実績を作りたいからタダで作らせてください」って業者がいますよ(笑)。会社としては新参でも、スタッフ自体の実績や作品はあると思うんだけど。……ないのかな(笑)。

菅: まだ横行してるんだよね、そういうの。でも、ボクら業者の本音として、多くのクライアントに認められたいからこそ、今ある1本の仕事をいいものにしようと一生懸命やってる面はありますよね。

う: それは、ある。作る以上はこれ以下のモノは出せないってラインがあるから。

菅: つまり、単に数が多いだけじゃなく、中身がどうかってこと。出来栄えにバラツキが大きい業者は要注意ですよ。力のある制作者は、どう不調でも「このレベルは越えてくれるだろう」ってラインはきっちりクリアするし、安定した能力を発揮してますもんね。

う: 世の中に出た成果物がオレらの実力そのものだからね。どんなにギャラが安くても、いったんステージに立っちまえば手を抜くわけにはいかないんだ。

滝: でも、それを「どーでもいいオマケ」で水増ししてる業者もいる、と。

う: あ、多い。意味なしフラッシュなんか、その典型。「目先のお金」のためだけにやってるような。


---プロジェクトに関わった者としての経験値---


菅: 実績ってそもそもキャリアのことでしょ。長い期間、たくさんの仕事に携わってきた人間だけが持っている経験値というか。

う: その経験値の深さが感じられてこそ実績ってことだね。我々はいろんなケースに触れてきてる。それこそ公共関係から民間まで。こういう時にはこれが必要なんだって、体験してるのは強いよ。

菅: すごい失敗体験なんかも積み重ねてここまで来てるし。
失敗から学ぶってのは大きい。

う: 本を読んで知ったかぶりぐらいはできるんだけど、それだけじゃ感じられない「行間の部分」があまりにも多い。そういう部分はウェブの参考書には書いてないんだ。体験しなきゃわからない。

滝: そのノウハウは、そのままクライアントの利益にも繋げることもできますね。

菅: ホームページ制作者っていうより、プロジェクトに関わった者としての経験値が大きいんですよ。

う: そうだね、ある程度の先読みもできるようになるし。この原稿内容……ってことは、クライアントがこんなことを考えてるんだろうな、って。

菅: 打ち合わせの言葉ひとつ拾っても、きっとこういう意味だろうってのが予測できるってことだよね。100%的中とまではいかないだろうけど、かなり読める。

滝: 数こなした分、担当者だけじゃなくて、この組織を仕切るにはどう動いたらいいって先読みもしますよね。単にウェブ作るというより、事業主目線で考えるようになる。

菅: 結局、プロジェクト全体を見通してやってるかどうかですね。大規模プロジェクトじゃなくても、そういう実績が多いなら良質な制作会社と言えるんじゃないかな。

う: その中身を見る方法は、この対談を参考にしてね、と(笑)。



■注釈コラム
★実績を作りたいからタダで作らせてください
ボクの周りではあまり聞かないけれど、どうやら、そういう業者が本当にいるらしい。ボクはそうやって「作った実績」に何の意味があるのかと思ってしまう。歩いた後に道が出来る。歩いたコトにしよう、ではない。本当に歩いたからこそ、得るものがある。それが実績だと思う。
だから、本当のところ、実績には失敗も含まれる。あまり声高に言うことは少ないが、失敗や敗北の体験は大きな糧になることが多い。失敗の地層が成功を支えていると言えるだろう。人が成長するには成功と失敗の両方が必要だが、クライアントも依頼した仕事で失敗されたくはないわけで、それを過去に体験しておいてくれるなら、かえって期待できるというもの。むしろセールスポイントに活かせるかもしれない。ボクも本当は、失敗事例(該当クライアントに失礼すぎて書けないのだが)を公開したいくらいだ。
実績とは、そういう歩みを示すものだ。「作らせてもらった実績」といったメッキはすぐに剥げてしまうものだし、タダで請け負ったりすると甘えも出る。実績はちゃんと積み上げるべきだ。(URUNO)



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