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5. 人間性・フィーリング 〜制作会社選びは、かかりつけの医者をどう選ぶかと同じ〜


---信念を持ってる業者を選んでほしい---


菅: 性格的・生理的に合う、合わないってのも、意外に重要ですよね。
長いスパンでお付き合いしていくんだから。

う: さっき話した、就職の話と同じなんだよね。キャラクターも含めて、雇う雇わないを決めてくれればいい。お互いの判断した範囲で付き合おうよ、と。
根本的に合わないってことになっちゃうと、いい仕事には結びつかないしね。

菅: こっちは企業にとっての医者でもあるから、直る気のない患者に治療はできないってことです。真剣に直ろうとしてる時にだけ、お役立ちできるんであって。

う: 医者自身の信念もあるしねぇ。薬をいっぱい出してればOKってのもいれば、なるべく患者の自然治癒力を引き出そうって医者もいるし。
患者の希望と医者の方針が合わなければ「じゃあ、そういう医者に行きなよ」って言うしかない。

滝: ウェブ業界には、そもそも信念を持ってなくて、患者の思うがままのドクターもたくさんいますよ(笑)。

菅: そうね(笑)。まず、信念を持ってる業者を選ぶこと。その上で自分が合ってるかどうかを判断してくださいってことですね。

う: 医療の世界でいう「インフォームド・コンセプト」と同じ。
治療内容もろくに話さないで適当にやってます、じゃなくて、クライアントにちゃんと説明して、理解させて、納得してもらった上で、治療を進めていこうよって。

う: そのためには、ちゃんと内容を伝えられているか?ってことが大事。
オレは打ち合わせが終わった時に「わからなかったことや、理解できない言葉がありませんでしたか?」って聞いてる。

滝: ボクは打ち合わせの最初に確認しますね。
でないとロスも大きいし、信頼もされない。

菅: わかりやすく例え話にするとか、自分の言葉で補足するトークは、みんな心がけてるよね。ライブでそれができるってのが能力や見識の証明なんだから。
ウチは不必要な薬は出さないし、効きもしない予防注射なんか打たない、そういう病院ですよ、と。


---大手IT企業は大学病院、ボクらはかかりつけの町医者---


滝: かかりつけの医者をどう選ぶかって話なんですよね、制作会社選びは。
名の通った大学病院よりも、子供のころから診てもらってる先生のほうが安心ってトコはある。

う: かかりつけの先生から「こういう時は大学病院の何々科で診てもらいなさい」って紹介されることはあるじゃない?
オレも「このサービスに関しては楽天がいいですよ」とか「このケースならyahoo!にすべきですよ」って言っちゃうこと、あるんだよね。

滝: ああ、ありますね。何でもかんでもウチで、じゃ、治るものも治らない。必要に応じて、その判断ができるのは名医の大前提ですね。
言われると確かに楽天は大学病院かもしんない(笑)。

う: 大学病院の機材はウチらでは揃えられないし、当然、向こうの方が設備は整ってるからね。それ用に見合った体制ってのもあるし。
ただ、日々のことはオレら町医者がそばにいて、しっかり面倒見る方がいいからね。

滝: この会社には、これだけの機能が必要だろうって考えたとしても、それを全部カスタム開発したら予算的にも厳しい。そういうときは、大手を勧めてあげればいいんですよ。目先のお金欲しさに、そのアドバイスができない業者があまりにも多い。

菅: 「これを発注させればレジシステムで20万円上乗せできるよ、シメシメ」みたいな。

う: で、役に立たないショッピングカートを用意して、全然使えないっていう(笑)。

菅: いい制作会社は自分たちの持ち味をよく理解してますからね。担当範囲を逸脱していても、無責任に引き受けるところがほんとに多い。自分たちは内科なのに外科患者を入院させて、しかもメスまでバンバン入れちゃってる。

滝: 患者には「私は医者ですから安心してください」ってだけの説明で。
恐ろしくてしょうがない(笑)。

う: 自分のスキルレベルをちゃんと見極めてさ、できない手術はちゃんと紹介状書いていい病院教えなさいよ!って。

滝: 意味なしフラッシュがムダな手術の一例(笑)。

う: 今でもバリバリのフレームだらけのホームページがある。もう医学的に効果がないって証明された治療法なのに、まだずーっとそうやってるみたいな。

菅: 「不思議だなー、ずっと治療してるのに病気が全然治らない」って、中小企業の声が聞こえてきそうですね。
本気でその会社を良くしようと思ってるかどうか、その辺を見て欲しいよね。

う: 不勉強な医者ってムカつく!(笑)




■注釈コラム
★最先端なら安心か?
WEB標準とかアクセシビリティとかSEOとか、どんどん新しい基準や作り方が生まれている。それはいいことで、ボクらもどんどん学んで、よりよいウェブを目指すべきだろう。だが、その一方で、古い技術が「悪者」にされていく傾向がある。最も顕著なのが「フレーム」だ。
ボクは対談中で否定発言しているが、これはあくまでも「日本のネット状況に即したウェブ」を考えてのことで、フレームという技術そのものを否定しているわけではない。技術そのものには善も悪もなく、問題は使い方だ。
「フレーム」は1つのウインドウ内をメニュー、サブメニュー、メインなどに分割し、同時に複数のWEBページを表示する方法で、以前はほとんどのホームページに使われていたが、今では滅多に見なくなった。むろん、他の方法で代用できたり、よりよい技術が開発されたりしたからなのだが、一番の理由は「アクセス対策上マイナス要因になる」からだ(理由は長くなるので割愛させていただく)。だからボクも、フレームはできるだけ使わないようにしている。
が、「フレーム」を使えば簡単・低コストでホームページが作れることもある。メインページでの使用は控えるべきだが、アクセスアップとは直接関係ないサポートページなどで使うのであれば、むしろ有用かもしれない。
ASPやPHPを手に入れたからCGIは悪。CSSを手に入れたらTABLEが悪。新しいものが是で、古いものは否。最先端技術ばかりが重視されるネットでは、そういう傾向が強い。だが、TPOを考えずに思い込むのは危険だろう。特にコスト面での負担を抑えたい中小企業を支えていくには、ベストを知った上でベターな対応ができる柔軟さが必要だと思う。(URUNO)



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